11月としては少し高めの気温の日が続いていますが、外遊びをするにはよい季節となりました。子どもたちも休み時間になるとすぐに校庭へ飛び出していき、それぞれ思い思いに自分たちのやりたい遊びを楽しんでいます。
先日、校庭に出て休み時間の様子を見ていたところ、子どもたち数名で落ちている枝をたくさん集めていました。何に使うのか尋ねたところ「校長先生、内緒だけど、校庭に秘密基地を作っています。探しちゃダメですよ。まだ誰にも言わないでくださいね。」と言って、笑顔で走り去っていきました。見晴らしのよい校庭に秘密基地を作るスペースなどなさそうですが…しかも枝を使って秘密基地?
大人が考えると全く発想が浮かびませんが、子どもたちは柔軟な発想と創造力で、友達と相談し、協力しながら自分たちのだけの秘密基地をどこかに作っていたようです。
創造力とは「自分なりの方法で、新しいアイデアや解決策を生み出す力」のことです。これはAIが苦手とする分野です。つまり、これから迎えるAI時代を生きる子どもたちにとって、身につけるべき大切な力となります。
この創造力は「遊び」を通して育むことができると言われています。特に子どものときにたくさん遊ぶことが重要です。大きくなってからだと固定観念に縛られすぎてしまい、伸ばすことが難しくなるからです。知識や経験が少ない子どものときだからこそ、常識にとらわれず様々ことを試したり、新たなアイデアがひらめいたりすることができるのです。
そして、この「遊び」は子どもたちの創造力を育むだけでなく、遊びの中で起こる喧嘩や衝突を通して人間関係を円滑にする方法を学んだり、人の気持ちを理解したりできるようになります。また、順番やルールを守ることなどの社会性が身につくとともに、話し合いの中で、みんなで楽しくする方法を考えるなど、コミュニケーション能力も身についていきます。その他、身体を動かす遊びは基礎体力や運動能力を鍛えることにもつながります。
つまり、子どもにとって「遊び」とは「やった方がよいこと」ではなく「やらなければならない重要なこと」なのです。
子どもたちが自由に遊ぶことのできる時間を大切にするとともに、遊びに没頭できる環境を整えてあげることも小学校として重要なことであると考えています。