初夏の爽やかな風が心地よい季節となりました。木々の緑もいっそう深まり、校庭のウメの木も大きな実をたくさんつけました。
6月は、カトリック教会では「イエスの聖心(みこころ)の月」としています。イエス様の聖心を通して、神さまの愛を思い起こす月です。私たち教職員も子どもたち一人ひとりのために、できる限りの愛をもってこたえていこうと考えています。
また、学校では、6月は「磯の観察会」や「三味線体験講座」「環境管理センター見学」「話し方教室」「マナー講座」「鉄道会社見学」など、体験学習を多く実施する月です。
一般的に「体験」というと「間接体験・疑似体験・直接体験」の3つにわけられます。「間接体験」とはインターネットなどを通じて学ぶ体験で、「疑似体験」はシミュレーションなどを通した体験を指します。そして「直接体験」とは実際に物や自然などに関わる体験のことです。この中で子どもの成長や学びにとって重要なのは「直接体験」です。
しかし、社会環境が変化していく中で、現代の子どもたちは「間接体験」と「疑似体験」が多くなり、その代わり「直接体験」が減ってきているといわれています。
そこで本校では、子どもたちの成長の過程で重要なこの「直接体験」を授業や行事に取り入れ、本物に触れる機会を多く作っています。「様々な直接体験を通して感動してほしい」という願いがあるからです。教科書を見ただけで得た知識に感動はありません。そのようにして得た知識は一時的に記憶に残りますが、数ヶ月もすると忘れてしまいます。ところが、体験を通し、感動して得た知識は、心の深いところに刻まれ活きた知識となり、一生忘れないものになります。皆さんにも今でもよく覚えている子どもの頃に得た知識や記憶がありませんか。きっとそこには大きな感動があったことでしょう。
子どもたちがより多くのことを直接体験する意義は、ほんとうに大きいと感じています。これから行われるたくさんの体験学習を通して、心に残る感動をたくさん味わってほしいと願っています。